「よろしくてよ!あなたをわたくしのこ、子分にしてさしあげますわ〜!!」
18歳/172p/スカーレット/わたくし:あなた、おまえ
おとなしい/ちょっぴり強情
アカデミー高等部経営科二年には有名な生徒が多数いるが、『セイナダ』という名は特に有名だろう。
パルデアには明確な中央政府が無い。一応リーグ本営が『代理政権』を持っているだけで、実状は各地を『貴族』や『地主』が取りまとめている事が多い。
その中でもナッペ山に古くから支配権を主張している家系があった。東〜南側エリアをスキー場として開拓し土地を占有しているのがこのセイナダの一族である。
絶大な権力を持つ一族のお嬢様であり、その立ち振る舞いは一般生徒とは一線を画している。それ故、一般生徒は彼女に近寄る事もできなければ話しかけることすら不可能である。
アカデミーには富裕層の子どもが多く在籍しており、それらを取りまとめる存在と思われているが、彼女が授業に出ることも稀で、出たとしても一日一時限いたらいい方だ。生徒たちは高貴なる身分故下々と交流することを控えている、生きている世界が違うと考察されている。
……が、実際は違う。本当の彼女は……対人関係構築が恐ろしく下手故引きこもり根性が抜けないだけである。
元々、彼女は引きこもるような性格ではなかったが、アカデミーに通って暫くして――ある大きな事件を引き起こしてしまう。
それがきっかけでセイナダは学校に行くことに恐怖を抱くようになり、授業に出て頑張っても一時間で恐怖心が抑えられなくなり仕方なしに退室することを繰り返しているのだ。
現状、彼女のそういった精神状態を知る者は先生を含めておらず、身の周りの世話をしている「爺や」以外知る由もない。
そんな背景から、彼女は自分の寮からあまり出てくることはない。
富裕層向けの寮室は、とても豪華で広く、一般生徒が1K程度の部屋だとすると、彼女は1LDKほどの部屋に住んでいる。つまり、別に出てこなくても生活に支障はないのだ。
実家も彼女の心の傷のケアを優先しており、アカデミー側も自分たちの管理不足で大貴族の娘を傷つける事になったことを恐れており、今や腫物扱いである。
その現状に甘んじて、自分の部屋で引きこもりピアノを弾いたり作曲したりしていた。
そんな限界引きこもり生活のせいか素なのか不明だが、関係性の構築が下手で、他者との距離の測り方が下手。
基本、実家で叩き込まれた優雅なお嬢様口調と振舞いで、楚々としているように見える。が、根が『高貴なもの』として叩き込まれているせいか無意識に尊大な態度を取る。それ故、一般生徒でもかなり反感を抱いている者も多い。
結局、多くの敵が彼女の周りにあるために結果として彼女は誰にも内心を打ち明けられないままなのだ。
『宝探し』に旅立つ。その課外授業は知っていたが、彼女には関係が無いと思っていた。
課外授業に出るためには、誰かとチームを組んで申請する必要がある。セイナダは自分の保護者役の『爺や』と申請すれば旅立てるものの、それでは宝探しの意味がないと考えていたため、現状の把握に消極的だったのだ。
しかし、彼女はある噂を聞く。彼女がひっそりと憧れていた男子生徒――ヘラルドが、幼馴染と決闘騒ぎを起こしたという事を。
結論、ヘラルドは幼馴染に手ひどくフられたような形になり、荒れているということを。
セイナダは考えていた。友達を作ることもままならい自分が、憧れている男子生徒に向かって、わたくしと一緒に宝探しに旅だってほしいなんて言えるはずもない。そんな現状に悩んでいたが、ヘラルドは引きこもって暴れている、なんて噂が次々と入ってきて、緊張する心を抱えながらもセイナダは思ったのだ。
――これは、わたくしが変わるチャンスでもあるのではと。
ずっと、心の傷を抱えて引きこもっていた。でも、結局。変わろうとしないで内側にこもるのは、自分の傷をほじくり返して苦しいだけだ。だったら、何か変わろうとしない限り、ずっと苦しい。
それを知っていたセイナダは、勇気を振り絞ってヘラルドたちに声をかけたのだ。
バンドを結成しないかということを。
:戦闘方法は基本戦わないですが、素の種族値が高いので氷技で敵を圧倒できます。巨剣突撃は運動神経が悪いのであんまり連発できない上に割と失敗します。
ヘラルド(ラウドボーン♂)…ほぼ初恋のようなもの。彼の歌が特に好き。その中身の事はあまり知らないまま恋をしている。
プリモ(オリーヴァ♂)…同じバンドのひと。こちらと多少の距離があるためキャラが掴めていない。
イシドロ(キョジオーン♂)…同じバンドのひと。こちらと意図的に距離をとっている。ちょっと怖い。
カルロス(バウッツェル♂)…同じバンドのひと。しょっぱなから「アンタを信用していない」と言われて結構凹んだ。
イザベル(ミガルーサ♀)…友達。と思ってる。が、自分よりオリビア達の方と仲がよさそうでかなり複雑。
オリビア(マスカーニャ♀)…恋敵のようなもの。……ほぼ認識されていないが。
イライザ(ニャイキング♀)…己の罪。今も向き合うのは恐ろしい。
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