「……恵まれている事を当然と思わないでほしい。それは得難いもので、万人が持っているものじゃないんだから」
16歳/165p/スカーレット/僕:君、あんた
おくびょう/ちょっぴり強情
パルデア地方における最大の教育機関である『アカデミー』に通う高等部栄養学科一年生
。
派手な経歴と肩書を持つ料理研究部で一番地味と言っていい、大人しく影の薄い生徒。本人も目立つことを嫌っているため、この評価に納得しているし異議を唱えるつもりもない。
クラスでもあまり目立たず、どちらかと言えば職人気質。話しかけられると明らかに動揺する陰の者。
プラトタウンにある隠れた名店『Cachorro Suspiro』というパン屋を営む一家の看板息子。街ではおばちゃん達に愛される年下気質。
いずれ家を継ぐために、料理修行を真面目に励んでいる。その為に料理研究部に所属したはいいが、まともに研究しているのはカルロスだけという有様。
真面目に研究する気がない面子を見て早々に見切りをつけている。だが、転部するにしても一番いい料理施設が揃っている部室をひとりで利用できる機会は早々ないだろうと現金な理由で残っているので、割とちゃっかりとした性格。
基本的に小市民らしく気が小さく流されがちだが、ボソボソ言ってるだけで結構皮肉も言うし嫌なことは嫌がっている。
彼が唯一流暢に喋り熱中していることはもっぱら「パン作り」である。
自分の生まれた店は「隠れた名店」であり、あまり有名ではない。時折思い出したかのようにラジオやテレビ、SNSで流行るも、見つけにくい民家のような外観と手狭過ぎる内装のためかすぐにひとの足が減ってしまう。今定期的に通うのも、近所のひとびとで顔なじみしかいないという現状。
本人の望みは「もっと有名にする、もっとお客を増やす」という理由でアカデミーでも栄養学を専攻している。……現状を聞く限り、パンの内容より経営面の方に問題がありそうだが、料理研究部の面子は思っても指摘しないでいる。
一応、課外授業を行うつもりだった。他の組む相手もこれから見つければいいだろうし、最悪先生に言って護衛を雇いほぼひとり旅をしてもいいかもしれないと思っていた。
賭ける夢はひとつだ。己のパンの道を究めること。実家のパン屋を更に有名にする。ただそれだけであり、各地にある食材を求め、そしてひそやかに語られる「秘伝のスパイス」を求めるために旅をしたいと考えていた。
その準備をしている矢先、『料理研究部』を設立したヘラルドが何か問題を起こした、と人づてに聞く。その事に対してカルロスは実に冷めたものだった。
結局、料理を研究すると謡いながら碌に料理もせず日がなお料理クラブのように楽しく戯れるばかりの彼らに辟易していたのだ。ただ、設備が潤沢で、彼らも己に関わろうとしなかったが故に、ただひとりだけパンを作り続けていたのだ。
しかし、その状況は突然変化する。ヘラルドを連れだしてきたプリモとイシドロに、お前も部活のメンバーだろうと出発しかけた矢先に引きずられ、何が何だか分からないうちに「よし、バンドのメンバーが揃ったな」と謎の定員にされていた。
流石に富裕層に対し僻みや恐れがあるカルロスでも詳しく聞けば、セイナダという一般市民でも知っているような超有名富豪が、ヘラルドをボーカルにバンドを組むように要請したのだとか。
これに最も抵抗したのがカルロスだった。そもそもバンドなどに興味が無く、ヘラルドの事情に巻き込まれるつもりも一切なかったが……結局。セイナダが怖いという理由でギターを手渡されてしまい、仕方なく同行し今に至っている。
……ちなみに、根が真面目なのでギターもちゃんと練習している。ただ、やたら難しい譜面を読むことから大分苦労している様子だが。
過去
:戦闘方法は殴る蹴るですが体格的にもあんまり戦いに向いていないです。
ヘラルド(ラウドボーン♂)…同級生で同じ部活。あまり親しくはないし相性も悪い。
プリモ(オリーヴァ♂)…同じ部活の先輩。のらくらしててやりにくい。苦手。
イシドロ(キョジオーン♂)…同じ部活の先輩。なんか目笑ってないんだよな……苦手。
イザベル(ミガルーサ♀)…同級生で同じ部活。この中ではまだ話す方だし実家大変なのも知ってる。まあお互いなんとかやろ……。
セイナダ(セグレイブ♀)…すっごい有名な先輩。ムリムリ関わるの怖いんだけど!