SOTO

ネクロマンサーとは、死の概念を研究する魔術師の総称である。
彼らは魔術師とも違う、と主張することがある。だが、おおむね求める道筋は結局のところ同じである。

究極の存在。この世の真理。死の超越。
最初は死者のみが知り得る情報を聞き出す為に反魂を試みているところが大きかった。しかし、その技術が革新していくうちに、「死こそが死を超越できるかもしれない」という妄執に憑りつかれた魔術師が、どんどんとのめり込み大きな学問に発達していった。
彼らは死を超越する。ひとの生と死にこそ真理の極点があり、死の世界の果てにこの世の根源があると考えたのだ。
そうして、その研究内容は血生臭さを増してゆき、今でも忌まれる存在となったのだ。

ケリーがこの学問にのめり込んでいるのは大した理由ではない。
元々魔術の家系であり、両親だけでなく兄弟も魔術の道を歩んでいた。その中でもケリーが選んだのは死霊魔術であった。

ゴーストタイプは死が近い。種族的に霊的存在に近く、うっかり気を抜けば生きながら死ぬことも多々ある。何より、彼らは肉体の死を経ても精神がこの世に残留し、悪霊や幽霊として根付きやすい存在でもあるのだ。
自分たちの肉体の損壊した果ては、あまり知られていない。死んだとしてもこの世にしがみついているのなら、死後の世界を見た事がない場合がほとんどだ。
死とはなんなのか、生と何が違うのか。曖昧な存在であるゴーストタイプだからこそ、ケリーの疑問は消えはしなかった。
彼女は死霊魔術というジャンルを知ってからは、必然のようにのめり込んだのだった。

その中でも、彼女は「怪異」という特色に注目していた。
「怪異」とは、世界に染み付いた名残の総称である。ゴーストタイプだけではない、ひとが残酷な目に、理不尽な目に合うとその恨みが何かに憑りつくのだ、とひとは口々に噂する。
例えば、ある殺人鬼が毎日憑りつかれたように座っていた椅子がある。亡くなった時すらもその椅子に座っていた「謂れ」を持つ椅子に座ると、ひとは死んでしまうというものだ。
――それは、本当にその椅子がもたらしているのだろうか？　一度、二度、偶然が重なるうちに、それが百回も超える時――そのシステムは世に染み付いた。
「この椅子に座ると、ひとは死ぬ」という現象が、偶然ではなく必然に昇華される。それが怪異と呼ばれるものだ。
この昇華される瞬間に、ひとの魂を使用しているのか、別位相からの法則が引き出されているのか。どちらにせよ、この世の存在がどうにかできるものではない。
ケリーはそういったものに着目し、収集していた。
妖精憑きが語る、「この世界ではない場所からこちらを覗く存在」達。
それらが真理を、根源を知っているかもしれない。我々にとって身近な「死後の世界」も同様に。

その為に、彼女は多くの協力者と手を組んだ。
例えば、天体学科のパーソンズだとか。例えば、総合魔術科のサミュエルだとか。
そして、彼女は。彼らから、「願い星」の情報を得る。

パーソンズ(ｾｷﾀﾝｻﾞﾝ♂)

…協力者。彼から願い星を聞き、サンプルを貰った。かわりに死体から作成したゴーレムを譲渡した。
「噂には聞いていたけれど……ふぅん、貴方……面白いことをなさる気なのね？」

サミュエル (ｲｵﾙﾌﾞ♂)

…協力者。願い星の加工について協力してもらった。いくつか生きたサンプルを譲渡した。
「相変わらずねぇ……サミュエル教授は。別に、手を借りなくてもよかったのだけれど……こういった加工はお手のものでしょう？」

ソブラ(ｽﾄﾘﾝﾀﾞｰ♀)

…協力した。そして、材料にした。
「あら、まあ。私、問うたわよね？　どんな代償でも払う覚悟があるのかと。……今更、後悔したところで…………結局、貴方は死ぬしかないのよ」

セイレーン(ﾗﾌﾟﾗｽ♀)

…調度品のひとつ。割と好きに放逐させて材料を回収している。
「まあ、元気なこと。歌うことが大好きなのね。もう、理性なんか残っていないんでしょうけれど」

≪血縁≫
ペンドラゴンさん(ｹﾞﾝｶﾞｰ♂)

【花様宅】：【呼び方/ペンディ】…弟さん！同じく闇系の魔術師さん！！仲良く魔術の話もしているようですが内容が不穏が過ぎるよく似た姉弟です()
「そう。貴方が選ぶのは理性の獣なのね。私は死という果ての頂に行く。ペンディもその道を行きなさい。私は私の道で根源へ行き至る……」