SOTO

錬金術は魔術ではない。
この世にあるものを理解し、組み換え、別のものにする。下位の物質を高位のものへ。そういった思想によるものだ。
その思想は化学に近しく、魔術世界においても異端中の異端に彼女は存在していた。

「完全なひと」とは何か？
我々ポケモンは進化する種族だが、どれだけ進化しようと争いは無くならず、理性的な王ですら国を上手く回せず、世には戦乱と虐殺、迫害と差別に満ち溢れている。
全てが満たされている完全な生命であれば、そういった無作為な争いなど発生しないだろう。
故に、彼女は己の研究をこう表するのだ。

「私の研究は、世界平和の為だよ」

全てが完全な存在になるためには、己の手でその完全な生き物を作り出さねばならない。そのために彼女は多くの研究を繰り返していた。

アレイスター・クロウリーについて知りたいと思ったのはその頃だった。
彼は己をこう自認する。

「私はこの世で最も完全なる人類である」

その言葉は、アレイスター・クロウリーの関連図書に多く記載されていた。
彼は自分だけが人類であり、多くのひとびとを高次元の存在にするために努力しているのだと語っていた。

フラメルは感動した。かの大魔術師は、己と同じ視点を持っていることに！
その為ならば、多くの努力をするつもりだった。
「完全な存在」への理解を深めるため、彼女は魔術協会「星詠」を尋ねた。

彼女にとって、完全なひとは高潔なる魂を持つものだ。
では、その魂はどうやって生成すればいい？
彼女の研究は、次第に「魂」の究明に辿り着いていた。

今でも尚、その解答は掴めない。
そう、――イェイツという少年が彼女の元を尋ねるまでは。

イェイツ(ｴｰｽﾊﾞｰﾝ♂)

…生徒。次代の星。
「キミの道がどうなるかな？……私たちは、それが気になって仕方ないんだよ」

シェローン(ﾏﾙﾔｸﾃﾞ♂)

…商売相手。いくつか商品を卸している。
「うん、キミの紹介で理解したけど……あのサミュエル教授に預けるのはどうなのかな？私のところに頼めばよかったのに……残念だよ」

募集中！